今月下旬の「こころ旅」(BSプレミアム放送)は岩手県で、普段旅系の番組は私が録画をするのだが、今回は岩手県出身の夫が自ら録画していた。
年齢を重ねると、望郷の念にかられるというか(まだそこまでの年齢ではないつもりだけど)、遺伝子がふるさとを懐かしくさせると言うか、妙にそういう風景が恋しくなる。
(写真は2019年9月撮影)
番組では1日目、北山崎という断崖絶壁の自然景勝地。
20年ほど前こちらに行ったことがあって、北山崎で見かけたご夫婦とここから南に30分くらい下った鵜の巣断崖でもこちらのご夫婦と会って、ちょっと気まずかった思い出がある(一本道なので南下するルートだと全員ツアーのように同じルートを巡る格好となる)。
番組では送られた写真のアングルと同じように、後ろの崖が同じように入るよう角度に気をつけて撮影をしていた。
きっと私たちも当時同じように「北山崎」と書かれたプレートが入るように記念撮影したんじゃないかな。
テレビを観ていてちらっと映った北山崎の駐車場近くにある「松乃家食堂」で夫は大好きな磯ラーメンを食べたが、本人は覚えていなかった(視覚優位の記憶力なので見ると思い出す)。
2日目は田老の防浪堤。
田老も私はとても印象に残っている街で、子供の頃家族でも訪れたことがあるし、プロフィールのお話で載せている20年前にも行ったと書いている海岸の写真は、田老にある沢尻海岸の満月の夜の写真だ。
当時泊まった民宿は、田老の中心にある港のすぐそばだった記憶なので、震災でなくなってしまっただろうと思う。
昨年の9月に岩手に旅行した時、田老は昼間に脇を通る国道を少し通っただけなのだが、私の記憶と風景が違っていてツルっとした真新しくねずみ色の高い大きなコンクリートの防浪堤が時代の流れを感じた(今は宮古市になっている)。
20年前、当時私は大きな防浪堤を見て、「こんな高さまで津波が来るの?」と夫に尋ねた記憶がある。
夫は子供の頃久慈に住んでいたので、「海は怖い」とか「津波の避難訓練をしていた」とよく言っていた。
訪問直後の2019年10月にも台風で災害があり心が痛んだ。
3日目は、陸前高田の普門寺の五百羅漢。
普門寺の五百羅漢は訪問出来なかったが、奇跡の一本松には行った。
当時はまだこの辺りは工事中だったので整備されておらず、国道を越えたところにある臨時の駐車場から20分ほど歩いた。
行った翌日の2019/9/22に道の駅高田松原が開業だったので、残念ながら新築の道の駅にはお邪魔できなかった。
写真の右側にあるベージュの建物は旧ユースホステルで津波でも流されなかった建物。
夫が高校時代にこの旧ユースホステルに合宿で泊ったそうで、高台に登った時に、このユースホステルからどこかの学校に行った記憶を懸命に呼び覚まそうと、遠くの田んぼのあぜ道の先にある学校を見つけ「多分あの道を歩いてあの学校まで行ったのかも」と話していた。
実際にこのような姿になったユースホステルを見て、夫は何を思ったのだろう。
陸前高田市は私は初めての訪問だが、それでもグッとくるものがあるのに、こちらに住んでいる方々や夫のように思い出がある方々にとってはグッとくるどころではないだろうなと思った。
4日目、住田町の昭和橋と川端の蔵並みの風景。
三重県出身の投稿者が、奥様の実家に帰省時、緊張でお酒を飲み過ぎてこちらの昭和橋の上で寝込んでしまったというお話。
番組内でのお話によると、こちらの昭和橋は、橋脚の数が多く、大雨の時に流されて来た倒木などが橋脚に引っかかり、橋の崩落にあう危険性が高いため、現在道の拡張工事と橋の架け替えを行うそう。
昭和8年にかけられた橋がなくなってしまうのは、寂しい。
「駅があるのかな?」と火野さんは仰っていたけど、「駅」という地名だそう。
この番組を観ると、自分だったらどこがもう一度見たい、訪れたい場所かなと考える。
番組に出てくる風景は、自分たちが行った場所でもあるし、誰かの思い出の場所でもあるし、そこはもしかしたら私たちの思い出の場所になるかもしれない場所。
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